GASTRONOMY
2022.02.12
三好市の新たな食の魅力創出を目指す「三好市ガストロノミープロジェクト」。1月19日、大歩危・祖谷エリアの宿で構成される「大歩危・祖谷いってみる会」グループ第3回目の試食・検討会が開催されました。2グループ、全6回にわたり開催されてきた試食・検討会も今回が今年度の最終回。「祖谷渓温泉 ホテル秘境の湯」(三好市西祖谷山村)を会場に、食のメンター堀知佐子さん指導のもと、三好市フェアでお披露目する料理の最終調整をおこないました。
チームワークで仕上げる新メニュー
当日は、会場の「祖谷渓温泉 ホテル秘境の湯」をはじめ、「和の宿 ホテル祖谷温泉」(三好市池田町)、「峡谷の湯宿 大歩危峡まんなか」(三好市山城町)、「湯元新祖谷温泉 ホテルかずら橋」(三好市西祖谷山村)、「大歩危温泉 サンリバー大歩危」(三好市山城町)、「渓谷の隠れ宿 祖谷美人」(三好市西祖谷山村)、計6つの旅館ホテルからシェフらが集結。挨拶では、これまでに提起されてきた課題の共有と共に、郷土料理のでこまわしをメニューに加えることが堀さんから伝えられました。また、細かな工程や既に確定しているレシピの分量なども各メニューの担当者と再確認。前日に開催された「まちなか」グループに続き、チーム一丸となって仕上げに臨みました。
フェア本番をイメージした最終調整
第1回目から試作を続けてきた「しいたけと鹿肉のステーキ そば米ミルクリゾット添え」の主な改善点は、しいたけのサイズ感と肉の火入れ、リゾットの食感(茹で加減)。見た目のインパクトはあるものの、特大しいたけは立食スタイルには不向きという声もあり、今回の試作では食べやすいサイズの原木しいたけが用意されました。また、前回から低温調理器を導入したことで、オペレーション負荷が軽減されると同時に絶妙な火入れも実現。鹿肉の持つうま味や栄養を逃さず、美味しさを最大限に引き出します。リゾットに関しては、「まちなか」グループで確立された調理法を早速実践。酸味と程よい甘味が特徴的なバルサミコソースと、しっとり柔らかな鹿肉との相性は言うまでもなく、ジューシーな原木しいたけ、バター香るミルクリゾットが合わさる四重奏により、完成度の高い逸品となりました。
地元産の原木しいたけ
「祖谷の地美栄」の鹿ロース肉
大皿に盛り付けた「しいたけと鹿肉のステーキ そば米ミルクリゾット添え」
第2回目で試作した「柑橘と和三盆のカステラ」は、米粉を使用。小麦粉で作るよりも、しっとりとしたカステラになります。噛む度に、柚子の爽やかでフレッシュな香りが広がる和スイーツ、フェア本番では「酒粕と和三盆のムース」との組み合わせが楽しみです。
「柑橘と和三盆のカステラ」
三好市発、“祖谷の味”を東京経由で世界へ
今回、新たに試作したメニューは、地元祖谷地方に伝わる郷土料理「でこまわし」。じゃがいも、豆腐、こんにゃくに味噌をつけて焼く串焼き料理です。「でこまわし」という名は、囲炉裏で串を回しながら焼く様子が、人形浄瑠璃の木偶(でこ)人形の頭を回す所作に似ていることから名付けられたと言われています。ごうしいも、石(いわ)豆腐、祖谷こんにゃく、全て地域の伝統的な食材を使った、まさに“祖谷の味”。すだち果汁をたっぷり搾った特製の味噌ダレは香りが良く、どこか懐かしさを感じる素朴で優しい味はもちろん、その可愛らしい見た目もフェアで存在感を放ってくれることでしょう。
祖谷特産の「ごうしいも」
固くて大きい「石豆腐」
「でこまわし」
少しでも多くの人に伝えるために
「まちなか」と「大歩危・祖谷いってみる会」、2つのワーキンググループで進められた試食・検討会。ホテルのメニューに活かしたい、お店でも使いたい、といった声が参加者から聞こえることが多く、継続性のある食事業として、初年度の取り組みが実践に繋がっていることが窺えます。メンターを務める堀さんは、「みんなプロで、地元のことや地元のものを分かっている人ばかり。逆に勉強になったことも多かったです。これが最後だと思うと寂しい気持ちです。良い食材、良い温泉、少しでも多くの人に伝えられるように都内のイベントは絶対に成功させましょう」と、感想や意気込みを語りました。また、試食には本プロジェクトのアンバサダーを務めるタレントの大桃美代子さんも参加。「アイデアが素晴らしい料理の数々でした。地元の食材の良さ、料理のストーリーをどう伝えるかが大事だと思っています。みなさん、どんどん自慢していきましょう」とエールを送りました。いよいよ舞台は東京に移り、今年度の三好市ガストロノミープロジェクトの総決算、三好市フェアが3月に開催されます。
大歩危・祖谷いってみる会 植田会長からご挨拶
大桃美代子さんからもご感想をいただきました
料理人の皆さんと
全員で集合写真
三好市食のメンター堀さんと食のアンバサダー大桃さん