GASTRONOMY
2022.10.20
3カ年にわたる三好市のプロジェクト、新たな食の魅力創出や食を通じた観光誘客を目指す「三好市ガストロノミープロジェクト」。10月4日、「まちなかグループ」の第1回試食・検討会が開かれ、2年目の活動がスタートしました。昨年度に続き、京都の老舗料亭「菊乃井」常務取締役の堀知佐子さんが本プロジェクトのメンターを務め、アンバサダー兼三好市観光特使としてタレントの大桃美代子さんが支援します。
課題を整理し、実りある2年目に
プロジェクトの目標は、三好市を欧米豪から食を目的に4~5日間滞在してもらえる場所にすること。実施体制は、引き続き大歩危・祖谷の宿泊施設で構成される「大歩危・祖谷いってみる会」と市内飲食店を中心に構成される「まちなかグループ」の2つのワーキンググループにて。各グループ3回ずつおこなわれる試食・検討会で開発した新メニューは、東京都内で開催予定の三好市フェアで提供されます。
2年目に掲げられたテーマは「連携と挑戦」。1年間で見えた課題を整理・共有し、各グループやメンター・アドバイザー間で連携をとり、改善に取り組んでいきます。昨年度、「まちなかグループ」では、各参加店舗で扱う料理のジャンルが異なることもあり、開発した新メニューを実際に提供するまでに至りませんでした。まずはこの明確化した課題を改善するため、店舗やメニューによってアレンジできるよう、汎用性の高い料理を開発することが最優先されます。また、調理オペレーションの効率化も課題のひとつ。既存の器具で調理でき、時間や手間をかけ過ぎないこと。期間限定や特別メニューで終わらないためには、非常に大事な要素です。
全員で考え、動き、つくる
会場となったのは、「カフェ&カルチャー クレヨン」(三野町)の系列店、「cafe culcul」(東みよし町足代 吉野川ハイウェイオアシス内)。当日は他に、「heso salon」(池田町)、「イタリアンバール イスバ」(井川町)、「酒と串焼 home」(池田町)、「お食事処 山あい」(池田町)が参加。計5店舗が集まり、第1回目の試食・検討会が実施されました。メンターの堀さんからは、「前回の反省を活かして、実際に現場で使えるもの、役に立つ料理を開発します。コミュニケーションをとりながら、みんなで考えて仕上げていきましょう」と挨拶があり、今年度の指針がメンバーにも共有されました。
堀さんとまちなかメンバー
三好市らしい食材を使う
今回の試食・検討会では、地元の食材として鹿肉と酒粕が用意されました。昨年度、大歩危・祖谷いってみる会で開発されたジビエ料理は、三好市フェアで非常に高い評価を得ました。鳥獣被害対策とジビエ利活用の取り組みは、市内外からも注目を集めており、安心安全なジビエはまさに三好市らしい食材のひとつです。また、昨年度まちなかグループで使用した食材、三芳菊酒造の酒粕も継続して使用します。
それら地元の食材を使い、今回試作した新メニューは、ローストジビエ、鮎のコンフィ、酒粕のスイーツの3種。今年度のメニュー開発のコンセプトに沿い、ローストジビエと鮎のコンフィは、あくまでもベースとしての料理です。今回のローストジビエ(鹿肉)では、丼、サンドイッチ、バーガー、ジビエカツバーガーサンドの4つのアレンジメニューを創作。ただアレンジをするだけではなく、複数のソースをつくり、さまざま組み合わせを試しました。鮎のコンフィは、ジェノベーゼパスタに使用。三好市の中心部を流れる吉野川は、鮎釣りのメッカ。激流のなかを走る鮎はサイズが大きく、食材としてのインパクトもあります。コンフィは、サラダやメインの一皿としても活用できます。酒粕のスイーツは、レシピに手を加え、昨年度からブラッシュアップされたムースと新たに開発する酒粕アイス。フレーバーは、プレーン、バナナ、柿の3パターンです。
祖谷の地美栄の鹿ロース肉
鮎のコンフィ
三芳菊酒造の酒粕
丼にアレンジ
サンドイッチに
バーガーにアレンジ
カツサンド
ジェノベーゼパスタに
酒粕アイス
チームでアイディアを共有しながら
試食後、参加メンバーから、「鹿肉のローストは色々なアレンジができそう」、「ソースで印象がガラッと変わるのは面白い、レシピも参考になった」などの感想が述べられました。また、「真空低温調理を炊飯器でおこなう方法が勉強になった。簡単なので店でも試してみたい」と、課題となっている調理オペレーションに関しても、ポジティブな声が印象的でした。第1回目からクオリティの高い料理が並んだまちなかグループの試食・検討会。昨年度以上にメンバー間、そしてメンターとの連携を大切にし、チームでアイディアを共有しながら、新メニューを開発していきます。第2回目の試食・検討会は、11月下旬の予定です。