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三好市ガストロノミープロジェクト

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ガストロノミー

2022.02.12

【第3回まちなかグループ試食・検討会】ブラッシュアップされたメニューは完成形に、試作メニューは「阿波尾鶏の香味焼き」「そば米と雑穀のトマトリゾット」「酒粕と和三盆のムース」

三好市の新たな食の魅力創出を目指す「三好市ガストロノミープロジェクト」。1月18日、市内飲食店を中心に構成される「まちなか」グループの第3回目、今年度のグループ最終回となる試食・検討会が開催されました。会場となったのは、地域交流拠点「箸蔵とことん」(三好市池田町)のイベントスペース。本プロジェクトのメンター、京都の老舗料亭「菊乃井」常務取締役の堀知佐子さん指導のもと、ここまで試作してきたメニューのブラッシュアップと共に新メニューの試作をおこないました。

 

アンケートの結果をもとに、みんなで作り上げるメニュー

 

当日は、「カフェ&カルチャー クレヨン」(三好市三野町)、「味どころ 米舞」(三好市池田町)、「イタリアンバール イスバ」(三好市井川町)の3店舗から代表者が参加。会の冒頭、挨拶のなかで、メンターの堀さんからメニューの改善点などが共有されました。また、試作メニューに関しては、参加者のアンケート結果をもとに採用するメニューを選んだことも同時に発表。「みんなで考え、作り上げる」をテーマにおこなってきた試食・検討会、第3回目はその集大成です。

 

改善点を共有し、ワンランク上の味を!

 

まずは、「阿波尾鶏の幽庵焼き」。こちらは第1回目に試作し、アンケートでも好評を博した香味焼きが採用されました。幽庵地と呼ばれる、醤油、酒、みりんに柑橘類を加えた調味液に鶏肉を漬け込み、汁気を切った後に焼き上げます。食材に醤油を馴染ませてから水分を切るテクニック、料理用語で「醤油洗い」とも呼ばれ、味が引き締まる効果があります。鶏むね肉と和える香味ダレは、ねぎ、生姜、しいたけをみじん切りにし、パン粉、醤油、ごま油、砂糖を加え、アクセントに豆板醤。今回の幽庵焼き(香味焼き)は前回に比べ、つなぎのパン粉を多めにする変更点が見られました。香味野菜のさっぱりした味わいや食感に豆板醤のコクが加わり、下味のしっかり付いた鶏むね肉との一体感が抜群の一皿。原木しいたけをみじん切りにすることで、香りや食感が大きく変わる点もこのメニューのポイントです。

 

材料の阿波尾鶏のむね肉

 

調理中のメンバーの皆さん

 

大皿に盛り付けた「阿波尾鶏の香味焼き」

 

「そば米とこんにゃく・雑穀のリゾット」は、同じく前回の参加者アンケートで最も好評だった洋風トマトリゾットを採用。そば米、たかきび、やつまたの3種類の雑穀を使用します。前回からの改善点として、雑穀の茹で加減を調整し、アルデンテのような食感に変わりました。具材には、パプリカ、香りと歯ごたえが良く旨みたっぷりの本しめじ、パリパリに炒めた鶏皮をチョイス。たっぷりのチーズとバターで風味豊かに仕上げ、最後に味噌を加えることで味に深みが増しました。工程は大きく変えていませんが、細かなポイントを調整することで2品とも前回から洗練され、メニューとしての完成度が一気に高まりました。

 

祖谷雑穀生産組合の「やつまた」等雑穀と、つるぎ雑穀生産販売組合の「つるぎのそば米」

 

茹で上がった雑穀

 

そば米と雑穀のトマトリゾット

 

酒処ならではのスイーツを新たに試作

 

今回、新たに試作したスイーツのメニューは、「酒粕と和三盆のムース」。市内に3つの酒蔵がある、酒処・三好市ならではのスイーツです。酒造りの副産物である酒粕は、食物繊維やたんぱく質、ビタミン類などが含まれる栄養素の宝庫。廃棄されることも多い酒粕を再利用することは、SDGs(持続可能な開発目標)の目標達成にも繋がる取り組みです。今回使用した酒粕は、三芳菊酒造(三好市池田町)から提供されました。生クリームと豆乳で作る濃厚ムースと和三盆の優しい甘さは間違いない組み合わせ、お酒の良い香りが鼻から抜ける大人な味のスイーツに仕上がりました。三好市フェアでは、第2回目の「大歩危・祖谷いってみる会」グループで試作した「柑橘と和三盆のカステラ」に添えられる予定です。

 

グループのメンバー「三芳菊酒造」の酒粕を使用

 

 

酒粕と和三盆のムースが完成

 

完成したメニューは三好市フェアへ、そして来年度へ向けて

 

全3回にわたり開催された「まちなか」グループの試食・検討会。試食後、すべてに参加した「カフェ&カルチャー クレヨン」の藤田梢さんは、「いつも一緒に町を盛り上げているメンバーで集まって料理をするのは良い機会でした。学びの深い3回だったので、持ち帰ってお店でも共有したいと思います」と感想を語りました。また、酒粕を提供した三芳菊酒造・「味どころ 米舞」の馬宮和子さんは、「酒粕を使ったスイーツは新しく、魅力的な食べ方でした。良い活用方法になりそうで、非常に参考になりました」と、本プロジェクトの枠を超えての実践や継続的な取り組みに意欲を見せました。「とても仲の良いグループで、みんな視点が違うところも面白かったです。メニューもどんどん洗練されていって、最終的に想像以上に美味しいものが出来て良かったです」と、締めの挨拶で語るのはメンターの堀さん。その言葉と表情から、満足のいくメニューを開発できたことが窺えました。残るは、「大歩危・祖谷いってみる会」グループの第3回目。来たる三好市フェア、さらにはその先に向けて、今年度の三好ガストロノミープロジェクトはまもなくクライマックスを迎えます。

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