GASTRONOMY
2022.12.13
三好市の新たな食の魅力創出や食を通じた観光誘客を目指す「三好市ガストロノミープロジェクト」。11月29日、市内飲食店を中心に構成される「まちなかグループ」で、第2回目の試食・検討会が開催されました。前回に引き続き、会場となったのは、「カフェ&カルチャー クレヨン」(三野町)の系列店、「cafe culcul」(東みよし町足代)。食のメンター、京都の老舗料亭「菊乃井」常務取締役の堀知佐子さん指導のもと、メニューの改良やアレンジをおこないました。当日は、「イタリアンバール イスバ」(井川町)、「味どころ 米舞」(池田町)、会場である「cafe culcul」の3店舗が参加。「連携と挑戦」が大きなテーマの今年度、ワーキンググループの垣根を超え、「大歩危・祖谷いってみる会」から「和の宿 ホテル祖谷温泉」の山下義孝料理長も試食・検討会に参加しました。試作した料理のアレンジ、フィードバックを受けての改良といった各メニューのブラッシュアップを軸に、レシピ作りに向けて細かな分量やポイントを記録するなど、再現性の向上にも継続して取り組みます。
地元の食材を使ったアレンジ料理の数々
1品目の試作メニューは、「ジビエストロガノフ」。ロシアの伝統的な煮込み料理であるビーフストロガノフを三好市らしく、ジビエ(鹿肉)でアレンジしました。牛肉の赤身のような旨味のある鹿肉やあめ色に炒めた玉ねぎの甘さに、濃厚な生クリームとバターが加わるジビエストロガノフは、コク深く上品な味わい。前回試作したローストジビエとの相性も抜群で、贅沢な一皿が完成しました。2品目は、「鮎の旨煮」。第1回試食・検討会では、鮎を低温のオイルで煮込んだコンフィを試作しましたが、グループ内のアンケートのなかでお茶漬けなどの和風で試してみたいという声があり、フィードバックを反映し、和風の旨煮となりました。今回はシンプルに醤油ベースの味付けで試作しましたが、鮎を酢炊きしてから味付けの工程に入るので、ハーブを入れれば香草風、バルサミコ酢で煮詰めれば洋風仕立てと、バリエーション豊かな料理でもあります。3品目の試作メニューは、冬に嬉しい「かす汁」。地元の老舗酒蔵である三芳菊酒造の酒粕、祖谷の鹿肉、ごうし芋、祖谷豆腐といった地域の食材をふんだんに使い、ほのかな甘みと香りも楽しめる一品は、まさに“三好の幸”。濃厚ながら素朴で優しい味わいは、試食会参加者から驚きと好評の声があがりました。また、昨年からレシピや工程の改良を重ねている酒粕のスイーツづくりは、「酒粕アイス」に砕いた高カカオチョコレートを加え、ビターで大人な味に仕上げました。
幅を広げ、新メニューの磨き上げを
そのほか、前回試作した「鮎のコンフィ」にトマトやバジルを加え、オリーブオイルなどで味を整え、サンドイッチ(バゲットサンド)とパスタにアレンジしました。表面はカリッと、中はもちもちのトーストしたバゲットに具材を詰めたサンドイッチは、華やかな見た目でボリューム満点。トマトのジューシーな旨味がコンフィとマッチし、さっぱりとしていて食べ応えも充分な一品です。パスタは鮎一尾を豪快に乗せ、見た目のインパクトが抜群。ふわふわの鮎の身とオイル系のパスタは相性が良く、トマトの旨味と酸味がさらに味を引き立てます。まちなかグループでは、店舗ごとに扱う料理のジャンルが異なるため、バリエーションを持たせ、各店舗やメニューによってアレンジできるような料理の開発が課題。一過性で終わらないよう、今後もブラッシュアップを続けます。
次回はフェアに向けた最終調整
参加者からは、「ジビエはお店で通年使っているが、お客さんによって反応がさまざま。今回のジビエストロガノフやかす汁は、万人受けすると思う。」、「お茶漬けは、朝・昼・夜、すべての時間帯で楽しめる料理なので参考になった。」など、自店舗での提供に向けて前向きな感想が述べられました。前回同様、質の高い料理が並んだまちなかグループは、ここからさらなる改良やアレンジを重ね、三好市フェアに向けて進みます。次回、今年度最後となる第3回目の試食・検討会は来年1月中旬の予定、本プロジェクトのアンバサダー兼三好市観光特使を務める大桃美代子さんも参加します。