SPECIAL
2022.12.08
誰もが学校で勉強したであろう「中央構造線」。みなさんは覚えているだろうか。
九州東部から関東へと横断する世界第一級の大断層で、地図を開けば徳島県の北部で緑の自然が途切れている様子を目にできる。
四国地方といえば「八十八ケ所巡り」のお遍路が有名だが、徳島県三好市は国内だけではなく、実は海外からも注目を集めていることをご存知だろうか。外国人からパワースポットとして密かに人気を博しているのは、圧倒的な大地の力も関係しているのかもしれない……。
ふと湧いた疑問を解消するため、同地の魅力を探る旅へと向かった。
【前回までの記事はこちら】
>>大地の力が眠る徳島県! 三好市のパワースポットを巡る旅 Part1|中央構造線が生み出した不思議な地形
>>大地の力が眠る徳島県! 三好市のパワースポットを巡る旅 Part2|大歩危峡遊覧船で三好の自然を堪能
>>大地の力が眠る徳島県! 三好市のパワースポットを巡る旅 Part3|三好ジオパーク構想情報発信室「とこじお」へ
自然の香りを腹一杯に味わったが、気づけば昼を過ぎていたためさすがに腹が減ってきた。
そこで、先程の「大歩危峡まんなか」からほど近い場所にある「cafe&ジビエ」という店を訪ねることにした。
ここは吉野川を見下ろす場所に位置しており、地元産のジビエを使った料理のほか、スイーツやドリンクなどもいただける。
朝から池田湖と大歩危峡を見学して歩き、かなりのカロリーを消費していたので、名物「ジビエバーガー」にかぶりついた。定番メニューのイノシカバーガーは、祖谷地域で獲れたイノシシとシカの合挽きパティが使われ、十分な食べ応え。
ジビエと聞いてイメージするような特有の臭みは一切なく、力強い肉の味は噛むほどに旨みが滲み出てくる。旅の疲れが吹き飛ぶほど大地のパワーにあふれたご当地バーガーなのだった。
【詳細情報】
cafe&ジビエ(道の駅大歩危内)
住所:徳島県三好市山城町上名1553-1
料金:1,000円(イノシカバーガー)ほか
「三好市には海外からも人気の宿があるんです」と地元の方が教えてくれたので、宿泊を兼ねてその宿へ向かってみた。
JR「阿波川口駅」から徒歩すぐの場所にある「YAMAYA」は、築80年の古民家を改装し、カフェやバーを備えたゲストハウスだ。
バーカウンターの後ろには掘り炬燵の食卓が設られているが、机を折りたたんで平な床にし、宿泊用のスペースにすることもできるサステナブルな造り。
なお、YAMAYAの宿はここのほかに2軒あり、「BASE1」「BASE2」と呼ばれている。
この日はBASE2に宿泊したのだが、まるでツリーハウスのごとく、屋根を貫くようにそびえる2本の大木に自然の力強さを感じる。
また、川のほとりに建っていることもあり、室内では清冽な川のせせらぎを聴きながらゆったりと過すことができる。
「ここはアクセスも良いので、国内だけでなく海外からも多くの観光客が訪れるんです」と話すのは、YAMAYAの宿主・大野健さん。
渡航経験も豊富で英語での対応ができるため、宿泊者に観光案内をすることもあるという。
どんな人が泊まりに来るのか尋ねると、「これまで、フランスやチリなど世界各国からお客さんが来てくれましたが、みんなこれといったわかりやすい目的はないようです」という。
中には一日中ずっと縁側で瞑想している人や、数日の滞在予定が2週間も延泊することになった人もいたそうだ。
「お客様と関わっていると、物質的な豊かさというよりも、精神的に満たされている方が来ているんだなと感じます。うまく言葉で表現できませんが、パワースポットというか、何か人を惹きつける魅力が三好にはあるんだと思います」
そう話す大野さんの表情は、自身の心が満たされているのを感じさせるほど、明るく清々しいものだった。
【詳細情報】
YAMAYA
住所:徳島県三好市山城町大川持573-1
料金:素泊まり4,000円、1泊朝食付き4,800円ほか
次回part5では、世界各地からの旅人を惹きつけている三好市のパワースポットを目指してみよう。
>>大地の力が眠る徳島県! 三好市のパワースポットを巡る旅 Part5|四神が幸せを呼び込む開運の地
編集:男の隠れ家デジタル 文:菅堅太 撮影:井野友樹