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2021.07.07
「天空のカフェ」「天空のブランコ」というワードでインスタグラムで有名になったお寺がある。それは巨鼇山 千手院 雲辺寺で四国八十八箇所霊場第66番札所としてお遍路でも人気のあるお寺だ。今回は雲辺寺がなぜここまで人気となったのかInstagramの中の人に聞いてみた。
【前回の記事はこちら】
>>オトメン副住職のお寺カフェ計画 Vol.1|四国霊場第66番札所 雲辺寺
雲辺寺の副住職となり13年が経過したとき、彼は悩んでいた。
それは、「カフェがしたい」
副住職は珈琲が好きだ。
甘いものは苦手だがクリーム系は好きだし自分の好きな珈琲とスイーツを片手に、この見晴らしのいい場所で珈琲が飲みたい!カフェが欲しい!
だが自分は副住職としての立場がある。お寺の住職として出来ない事が多く、やりたい気持ちばかりが大きくなっていた。
そんな時に雲辺寺と観音寺を繋ぐロープウェイの企画部に後継者の赤川大樹さんが県外から地元に帰ってくる。世代が近い二人はすぐに意気投合し、あの「天空のブランコ」計画が赤川さんより出てくる。
あの話題になった「天空のブランコ」は雲辺寺ロープウェイの赤川さんの発想だ。
景色のいい場所で何かできないか考え、「とりあえずブランコを置いてみよう」そんな軽いノリで設置したそうだ。だが赤川さんの予想をはるかに超える反響を呼び、その勢いにお隣の雲辺寺も驚いた。
そもそも雲辺寺が大事にしている心に“この場所に来る人にもっと気軽に楽しんでもらいたい”という思いがある。標高が高い以外にも季節の花の種類の多さは歴代の住職たちがお寺という場所は神聖であり拝む場所だけれど、それだけではない古くからある思いが雲辺寺という場所を作っている。
この思いは副住職にも受け継がれ、沢山の人に「雲辺寺に来て良かった」と満足してもらいたいという思いがある。「天空のブランコ」を目指して雲辺寺ロープウェイに乗ったお客さんが雲辺寺へも来てくれるが、遠いところから来てくれる方にもっと楽しんでもらいたい、と思うようになる。
雲辺寺のスキー場が閉鎖となり、元々空きがあったレストラン施設に入ってもらう飲食店を探すことにした。
そこで候補として挙がったのが、「カフェルポ」だ。
カフェルポは元々副住職がプライベートで通っていた場所だったが断れる覚悟で相談した。この時のことを副住職は「ずっとお店には通ってはいたが、いきなりスキンヘッドの男が来たから相当怪しかったと思う」と苦笑しながら語った。
だがこの話はカフェルポにとってもタイミングが良かったようだ。元々香川県にある詫間という所でカフェを営業していたが、店舗の耐震問題などから閉店になる事が決まっていたそうだ。そんな時にスキンヘッドの副住職が雲辺寺の山頂でカフェをしないかと持ち掛けたのだ。
始めは一日単発だけの予定だった。それが秋の2カ月の期間限定になり、冬にはクリスマスケーキが店に並び、それを買い求めるお客さんも増え、期間限定の営業だったが期間限定を無くし、暖かくなった春でもお客さんでいっぱいの人気店になった。
雲辺寺にとってもロープウェイにとってもカフェルポにとっても、不思議な巡りあわせだったそうだ。
副住職は大学時代に学んだ経営の授業から、単体では生きていけないという知識が今に生きているそうだ。同じ業種ではなく、異業種で何かをやっていくことが大切なんだと改めて実感したそうだ。
四国内のカフェや飲食をしている店舗に雲辺寺で開催するマルシェに参加してもらいたい。そしてこの”天空ブーム”を沢山の人に使ってもらいたい。そんな思いで始めるマルシェだ。
今回は“プレマルシェ”という事で、参加店舗の紹介とともに、Vol.3では「天空のブランコ」の発案者の赤川さんと天空のカフェとしてさらに有名になった「カフェルポ」さんに副住職についてこっそり聞いてみた。
Vol.3へ続きます。
>>オトメン副住職のお寺カフェ計画 Vol.3|四国八十八箇所霊場第六十六番札所 雲辺寺
四国霊場第66番札所 雲辺寺
Instagram:https://www.instagram.com/unpenji/
四国ケーブル株式会社 雲辺寺ロープウェイ
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カフェルポ
Instagram:https://www.instagram.com/caferepos/?hl=ja
(取材・文:堂野彩加)