SPECIAL
2024.06.10
三好市での観光といえば、どんな移動手段を思い浮かべますか?
汽車やバスに乗って?レンタカーやタクシーまたは自家用車やバイクでしょうか?
今回ご紹介するのは、目的地までの道のりそのものを楽しめる、レンタサイクルを使った観光スタイルです。
JR四国土讃線大歩危駅を起点に、電動アシスト自転車で小歩危展望台を目指す、約4時間の爽快サイクリングの旅をレポートします。
旅程:大歩危駅前→小歩危展望台→レストラン大歩危峡まんなか→児啼爺の像→大歩危駅
大歩危駅のレンタサイクル料金
電動アシスト自転車なので坂道もらくらく移動できるとの事ですが、筆者は人生で初めての電動アシスト自転車です!
おすすめのお店や絶景スポット、実際に走ったからこそわかるレポートをお届けしたいと思っています。
大歩危駅でヘルメットとバッテリーと鍵を受け取り、目の前にある「歩危マート」に停められているレンタサイクルから1台を選び、鍵を外してバッテリーをセット!
「今日の相棒は、君に決めた!」な気分です。
最初の坂、大歩危橋へ向かう道で早速電動アシストの威力を実感。軽やかな漕ぎ出しに、これからの旅への期待が高まります。
国道32号線、吉野川に沿った道ではガードパイプに「PHOTO SPOT」の案内があり、絶景をカメラに収めるのに最適な場所を教えてくれます。
気になった所で自転車を停めて写真を撮ったり景色を眺めたり、気ままに進められるのが、自転車の良い所ですね。
この日は前日の雨で吉野川は増水していましたが、天気は良く青い空と新緑の山と淡いエメラルドグリーンの川はよく映えて目に鮮やかでした。
川の流れる音や時折通る汽車の音、鳥の鳴き声がよく聞こえてきます。五感で自然を感じられるのも自転車旅の醍醐味ですね。
季節によって変わる景色も魅力的。春の桜、夏の新緑、秋の紅葉、冬の雪景色と、一年を通して楽しめるのもこのルートの特徴です。
レストラン大歩危峡まんなかでは、春の風物詩「大歩危峡の鯉のぼり」が迎えてくれます。
全国から寄せられた色とりどりの鯉のぼりが風を受けて気持ちよさそうに川面を泳ぐ姿は圧巻で、絶好の撮影スポットです。
道沿いには複数の洞門があり、自転車ならではの特権として、その外側を通ることができます。
車やバイクでは味わえない、秘密の抜け道を通る冒険のようでワクワクします。洞門の外側からの眺めは、まさに隠れた絶景ポイントです。
目的地の小歩危展望台に向かう最大の難所である、坂道にさしかかりました。
電動アシスト自転車の本領発揮です!
電動アシストの設定を最大に、自転車の変速機を1番軽いものにすれば坂道も平気で登っていき、小学生の頃のような立ち漕ぎはしなくても問題なく進みます。
展望台に到着したら、専用の駐輪場に自転車を停めましょう。
登ってきた甲斐のある、素晴らしい眺望です!
眼下にV字形の小歩危峡と吉野川が臨め、遮るものがないので遠くまで見通せます。
展望台のすぐ下にもベンチが置かれていて、そちらではネモフィラが咲いていましたよ。
下り坂はアトラクションのようでとても速く、ジェットコースターが好きなので楽しめました!ただし、安全運転は忘れずに。
途中、小歩危駅にさしかかると、ちょうど汽車が到着する時間。急いで階段を上がり、写真をパシャリ。
こういう偶然に立ち会う事ができるのも、自転車ならではですね。
サイクリングの疲れを癒すランチタイム。
レストラン大歩危峡まんなかでは、地元の郷土料理「祖谷そば」がおすすめです。強い蕎麦の香りと、つゆの深い味わいが絶品。
他にも、地元の川魚を使った塩焼きや、ボリューム満点の定食、お子様にも人気のカレーライスなど、選択肢は豊富。デザートには、インパクト大の「妖怪ソフトクリーム」も。
周辺のグルメスポット:
まんなかを出て、藤川橋を渡り県道272号線に入ります。
ここから先は、妖怪街道と呼ばれる妖怪の里…数多の妖怪の木像が迎えているかのように、からかうようにこちらを見つめています。
中には上手に化けた本物が紛れているかも…?
約15分で到着する児啼爺(こなきじじい)の像は必見。「ゲゲゲの鬼太郎」でおなじみのキャラクター。
台座の「児啼爺」の文字は水木しげる先生の直筆、傍らにある石碑には作家・京極夏彦先生直筆の説明文が彫られています。
児啼爺の像から上流に15分ほど進むと、藤の里公園があります。
公園では毎年11月に「妖怪まつり」が行われ、地域を挙げて妖怪伝説の地である山城町を盛り上げています。
この地域の妖怪伝説は、急峻なこの地の危険から子供を守り、遠ざける知恵から生まれ、人々の暮らしの中に根付いてきました。自然との共生や、先人の知恵を感じられる文化遺産です。
道の駅大歩危を過ぎ、大歩危橋手前にある大歩危郵便局は、旅の記念に最適なスポット。ここでしか手に入らない「風景印」を、自分宛や大切な人宛の葉書や封筒に押してもらいましょう。
風景印とは、名所旧跡にちなんだ図柄が描かれた消印の一種で、窓口で申し出れば押印してもらえます。
旅先で見た風景を閉じ込めたポストカードを、親しい人に送る…素敵ですね。
ポストカードは、大歩危郵便局内でも販売していますが、レストラン大歩危峡まんなかのお土産コーナーや、観光拠点施設RiverStation West-WestのギフトショップWEST、また道の駅大歩危の特産品コーナーでも購入できます。
ポストカードの入手場所:
最後の休憩は、大歩危橋のたもとにある「hanan coffee」がおすすめ。疲れた体に優しいコーヒーの香りが漂います。
自転車を漕いだ足をちょっと休めてあげたいですね。
ラテアートも可愛らしく、写真映えも抜群。テラスではタイミングが合えばヤマガラに餌をあげる事もでき、自然を身近に感じられる、まさに大歩危らしい憩いの場です。
くつろぎ過ぎて自転車の返却を忘れないようにご用心!
もちろん大歩危駅から出発して、まず足を運ぶのもオススメです!
大歩危駅に着いて、ちょうど4時間。バッテリーの残量は60%。往復でもバッテリーに余裕がありました。
小歩危展望台を目指すルート、いかがでしたでしょうか?谷からのひんやりした風の心地よさを感じながら、自転車を進められます。
車やバイクだと景色は一瞬で流れていきますが、自転車では刻一刻と変わっていく様が見られるのも魅力です。
この大歩危・小歩危サイクリングコースは、自然の絶景、郷土料理、そして地域の文化に触れられる、まさに五感で楽しむ旅。電動アシスト自転車なら、体力に自信がない方でも安心して挑戦できます。
四国の秘境で、あなただけの特別な思い出を作ってみませんか?ペダルを漕ぎ出す勇気が、きっと素晴らしい冒険の始まりとなるはずです。
ちなみに、気になるトイレは大歩危駅、道の駅大歩危、レストラン大歩危峡まんなか、観光拠点施設RiverStation West-Westにあります。どちらも綺麗に整備されていますよ。