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2023.02.10
知る人ぞ知る隠れた酒処である徳島県三好市は「四国の灘」とも呼ばれ歴史的・文化的にも優れた酒蔵の集積があります。これを地域振興に活かそうと四国の銘酒を一堂に集結した「地酒試飲会」と、長い歴史を誇る地元酒蔵の「酒蔵開放」からなる広域交流イベントとして平成12年(2000年)2月19日に「第一回四国酒まつり」が始まりました。
お酒好きにはたまらないイベントとして注目され、なかなか市場には出回らない幻の逸品も出品されることから、毎年参加する方や四国のみならず他県からの参加者も年々増え、民間旅行会社による協賛ツアーが催されたりJR四国が臨時列車を運行するなど、一大イベントとして成長しました。
しかし、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受け、延期や中止を余儀なくされオンラインでの開催をするなど、何とか開催できる方法を模索してきた四国酒まつりですが、今年は4年ぶりに本来の形で開催される事が決定しました!!
酒まつりの開催に伴い、三好市池田町内にある酒蔵も解放され酒蔵見学、試飲、日本酒の販売が行われます。
まるごと三好観光ポータルメディアでは4年ぶりの開催に向けて酒蔵にインタビューを行いました。
平成6(1994年)、8(1996年)、10(1998年)、12(2000年)、13年(2001年)の全国新酒鑑評会で金賞を受賞した「今小町」(中和商店)は、1802年(享和2年)に創業され221年の歴史があります。
元は刻み煙草製造業でしたが、煙草の専売制に伴い1926年(大正15年)に酒造業を始めました。
「今ここ三好市で何らかの商売をしている所は、元々は煙草を作ってた所が殆どなんですよ」と、代表の中村 盛彦さん。
「酒蔵開放は基本的にはいつも通りにと考えていますが、コロナ禍なのでどこまで出来るのか決めかねている所もあります」と酒まつりへの率直な気持ちを話してくれました。
今小町(中和商店)さんは、三好市池田総合体育館で行われる試飲会場には2銘柄を出品し、搾りたてのお酒を出す予定です。
「搾りたてとは生の原酒で、アルコール度数が約17~18%あります。販売される物は割り水でアルコール分を落とし加熱・殺菌をしているので、作ったままの物という事になりますね」と「搾りたて」について説明してくれました。
また、徳島県立工業技術センターが作ったLED夢酵母という酵母を使い、今小町で仕込んだお酒もあるそうです。
今小町(中和商店)の酒蔵開放では、7~8種類ぐらいを出す予定で試飲と販売を行います。
「今小町(中和商店)で作っているお酒は、フルーティーな物から超辛口の物もあり、色んなタイプのお酒があります。飲み飽きない味を作りたいという思いで酒作りをしています」と酒作りに込められた思いを話してくれました。
「飲み飽きない味」を目指して作っている現場の酒蔵は、明治中期に建てられた煙草を製造していた頃のままで天井が高く太い梁がよく見えます。
杉尾通り沿いに面している事務所は大正末期に建てられた池田町内でも珍しい洋風のデザインで、酒蔵も含め2019年(令和元年)に国の登録有形文化財に登録されており、レトロ建築が好きな方にもぜひ訪れてほしいです。
中村さんは「コロナ禍で中断される前は、毎年数えきれないぐらいの人出があり、30~40分待ちになる事もありました。事務所の前の通りの向こうまで並んでいましたね」と以前の様子を懐かしそうに語り、「気負うことはないですが、久しぶりの蔵開きなので毎年来てくれていた人達にお会いできるのが楽しみです」とにこやかにお客さんと直接触れ合える機会を待ち望んでいるようでした。
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