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2023.03.11
知る人ぞ知る隠れた酒処である徳島県三好市は「四国の灘」とも呼ばれ、歴史的・文化的にも優れた酒蔵の集積があります。
これを地域振興に活かそうと四国の銘酒を一堂に集結した「地酒試飲会」と、長い歴史を誇る地元酒蔵の「酒蔵開放」からなる広域交流イベントとして平成12年(2000年)2月19日に「第1回 四国酒まつり」が始まりました。
お酒好きにはたまらないイベントとして注目され、なかなか市場には出回らない幻の逸品も出品されることから、毎年参加する方や四国のみならず他県からの参加者も年々増え、民間旅行会社による協賛ツアーが催されたりJR四国が臨時列車を運行するなど、一大イベントとして成長しました。
しかし、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受け、延期や中止を余儀なくされオンラインでの開催をするなど、何とか開催できる方法を模索してきた四国酒まつりですが、今年は4年ぶりに本来の形で開催されました!
開催日の2月25日は晴れ間が広がり、天候も開催を喜んでいるかのようでした。
試飲会場の三好市池田総合体育館ではオープニングセレモニーが行われ、実行委員長の田村 和男氏、徳島県知事の飯泉 嘉門氏や三好市長の高井 美穂氏など来賓の挨拶があり、関係者で鏡開きをして4年ぶりの開催を祝いました。
入場した愛飲家達を迎えたのは、四国中から集まりずらっと並んだ46銘柄(蔵数40ほど)のお酒!
この日を待ちわびた大勢の日本酒ファンは、それぞれ目当ての銘柄のサーバーでお酒を注ぎ存分に味わっていました。
また、2021年の【第22回 酒まつり感謝祭】において、クラウドファンディングの支援金へのリターンで「次回『四国酒まつりセレモニー』鏡割り権」があり、壇上で権利者の方による鏡割りが行われ、全員で乾杯をしました。
会場内には燗酒コーナーもあり、燗を付けたお酒を楽しむ事も出来ます。
四国4県の地酒をベースに作ったカクテルの出来を競う「四国地カクテル バトルロイヤル」では、各県特産の果物や野菜を使った色とりどりのカクテルが振舞われ、和菓子のような見た目のカクテルもあればシャーベットにしたカクテルもあり、投票が行われました。
「利き酒名人」の称号と徳島県大会の出場権(※徳島県在住者のみ)をかけた【利き酒大会】は、全問正解者には利き酒名人認定証と賞品が贈られるとの事で、舌に自信のあるお酒好き達が挑戦していました。
地元の蔵である今小町(中和商店)と三芳菊では酒蔵開放が行われ、酒蔵見学と試飲・販売を目当てに開始時間前から順番待ちの長い列が出来ていました。
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>>『四国酒まつり』酒蔵インタビュー|今小町編
今小町(中和商店)の中庭では6種類の銘柄の試飲と販売があり、あちこちで日本酒談議に花が咲いている愛飲家たちを赤煉瓦で作られた煙突が見守っていました。
山城町出身で徳島市在住の男性は「コロナ禍前はほぼ毎年来てました、ここに来るとどこかしらで友人に会えるので楽しいです。久しぶりに笑顔で大勢があちこち歩いている姿を見ると、笑顔が肴になります。毎日こうだったら良いのに」とご本人も笑顔で話してくれました。
岡山・大阪・東京からの男女4人組は「もう何度も来てます、実は去年の“夏の陣”でもインタビューを受けたんですよ」「他の地域のお酒イベントで仲良くなった飲み仲間なんです、早速飲み放題を楽しんでます!実は2周目で、とても美味しいので試飲会場も楽しみです」「お遍路を兼ねて来ましたがどっちがメインか分からないですね、三芳菊さんの酒蔵開放にも行ってまた戻ってきました」と、酒まつりを心待ちにして訪れたという気持ちが伝わります。
今小町(中和商店)代表の中村 盛彦さんは「人出は予想通りといったところですが、久しぶりに会えたお客様に「お元気でしたか」とお顔を見てお話できたのが非常に嬉しくて、今日来て頂いたお客様には感謝しております。今年できました搾りたての新酒を皆さんに飲んでもらえて喜んで頂いて、私もとても嬉しかったです」と4年ぶりの開催への思いを感慨深げに話してくれました。
次回part2では三芳菊さんの酒蔵開放や協賛イベントの様子をお届けします、お楽しみに!
>>四国の銘酒を堪能!三好市「第24回四国酒まつり」レポート【part2】