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2021.04.15

『22回・四国酒まつり感謝祭』を終え、次代の『四国酒まつり』へ

四国最大の日本酒イベント『四国酒まつり』。これまで、20回の開催を続けてきたイベントながら、21回目となった2020年は新型コロナウィルスが蔓延し始めたタイミングにより、直前の中止になったことは記憶に新しい。そして、22回目となるはずだった2021年の『四国酒まつり』は、コロナ禍が収まらずオンラインでの開催となった。

『第22回四国酒まつり感謝祭』と銘打ったクラウドファンディングを立ち上げ、四国酒まつりへの支援金を募り、支援者へのリターン(返礼品)として、四国の銘酒や地元特産品のセットを届ける方式となった。さらに、これまでの四国酒まつりや酒蔵開放の映像、三好市の現況などを盛り込んだオリジナル映像も配信。

結果、想定を上回る3,138,500円の支援金が集まり、支援者は350人にも及んだ。支援者への返礼品の送付、映像配信も順調に進み、支援者それぞれが来年の『四国酒まつり』に想いを寄せつつ、四国の地酒に舌つづみを打ったことだろう。

今年の『四国酒まつり』を終え、あらためて実行委員長である田埜泰弘さんにお話をうかがった。

「21回の中止に続き、22回がオンライン開催になってしまったことは残念でしたが、逆に、開催できなかったことで、感じられたことがありました。それは、『四国酒まつり』を楽しみにしている方々の期待の大きさ、そして、イベントに対する愛情の大きさです」と田埜さん。

21回の『四国酒まつり』が中止になったのは、2月20日。開催日のわずか2日前のことだった。中止の連絡が行きわたらず、知らずに三好市池田町を訪れた方も多く、また逆に、知っていながら訪れる方も少なくなかった。実行委員のメンバーは、JR阿波池田駅前やバスターミナルに立ち、知らずに訪れた方々への謝罪を行なうなど、その対応に大忙しだったが、誰ひとり非難するような言葉をかける人はいなかったという。

「毎年開催できていたら、来場者数をカウントして満足していたかもしれません。イベントを開催できないことは残念ですが、『四国酒まつり』ファンの方々の熱い想いや温かさを知るいい機会になりました」と田埜さん。

『四国酒まつり』がスタートした当初は、阿波池田商工会議所の会議室を会場として、わずか200名程度の参加者だったという。その後、入場料のみで飲み放題のシステムが口コミで広がり、1000人、2000人、3000人というように、回を重ねるごとに参加者が増えていった。また、『うだつマルシェ』の同時開催など、地元商店街の協力も得られるようになったほか、旅行会社がツアーを組むようになり、JRが臨時列車を出すなど、20回記念イベントではおよそ3万人の来場者を呼ぶまでになった。

「三好市を盛り上げるために続けてきたことなので、来場者が増えることで、地元の方々に還元できるようになったことは嬉しいことです。逆に、実行委員会としての収入はほとんどなく、むしろ赤字なくらい(笑)。来年のことは、まったくの未定です。コロナウィルスの蔓延状況も楽観できませんし、ある程度収束していたとしても、入場制限やサーブ方法の改善など、取り組むべきことはたくさんあります。それでも、多くの方の期待に応えられるよう、お客さまの視点に立って、気を引き締めて取り組んでいきたいと思います」と田埜さんは言う。

毎年、スピンオフイベントとして、夏の陣・秋の陣が開催されてきたが、今年の開催は未定のまま。夏の阿波踊りと並ぶビッグイベントなだけに、来年こそ開催してほしいという期待は高まっていくばかり。新型コロナウィルスの収束も待たれるが、WITHコロナ時代における、新しいイベント様式を構築することも求められるだろう。

『四国酒つまり』ファンの期待、三好市民の期待、そして、四国内の酒蔵およそ80蔵の期待、たくさんの期待を背負って、来年こそイベント開催、そして、新時代の『四国酒まつり』へと進化していってほしい。

(取材・文/大掛達也)

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