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2021.10.18
徳島県の祖谷(いや)地方は日本三大秘境の一つとされる奥深い地域である。秋は渓谷が紅葉し観光に絶好のシーズンとなる。地域を流れる祖谷川は、西日本第2位の高峰剣山を源に、高い山々を縫うように下り、吉野川に合流する。深い渓谷の崖に、張り付くように生える木々が紅葉する様はまさに絶景だ。
剣山から始まる紅葉は、秋の深まりとともに徐々に標高の低い所へと広がっていく。祖谷川を下る紅葉を満喫できるコースを紹介する。
(Instagram:rs.0521)
祖谷川の上流部、標高1000m程の場所にある奥祖谷二重かずら橋。男橋、女橋の二つのかずら橋が清らかな祖谷川の流れの上に架かり、その周りの紅葉は見事である。この橋は奥祖谷かずら橋キャンプ場への通路でもあり、キャンプ場からも紅葉が楽しめる。
奥祖谷二重かずら橋
徳島県三好市東祖谷菅生620
東祖谷の名頃集落は、別名かかしの里と呼ばれ、人口よりはるかに多いユーモラスなかかし達が見られる。秋は周囲の山々が紅葉し、かかし集落の秋風景となる。この集落は標高900m程に位置し、空に近いことから「天空の村」とも呼ばれ、秋の訪れも早い。人々と、かかしの織りなす秋風景に、秘境祖谷の暮らしを感じられる。
名頃かかしの里
三好市東祖谷菅生191
龍宮崖公園には、祖谷川の上空60m程の所に架かる橋がある。橋の床は、両側が編み目となっていて、下がよく見え、高所恐怖症の人は渡ることができないほどの景色が見られる。深い渓谷に架かる吊り橋風景だけでも見る価値があるが、渡って空中散歩を楽しむのもいい。
ここでは、断崖絶壁に道路が造られ、上の岩がそのまま残った様子が見られる。現在はトンネルが造られ、この道路を通る車はほとんど無いが、昔の祖谷街道の名残だ。
このオーバーハングの道路は、人力で、万人の人夫の手により作られたことから、祖谷地方ではマンプ(万夫)と呼ばれている。
龍宮崖公園
〒778-0206 徳島県三好市東祖谷釣井438
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>>秘境・祖谷川の透き通る清流沿いに色づく紅葉の絶景スポットを巡る Part2(かずら橋|小便小僧、ひの字渓谷)
>>秘境・祖谷川の透き通る清流沿いに色づく紅葉の絶景スポットを巡る Part3(池田町出合ダム湖)
(文・写真:白うさぎ/写真:大柿豊弘)