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三好市ガストロノミープロジェクト

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2021.12.10

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【第1回大歩危・祖谷いってみる会グループ試食・検討会】温泉郷のシェフたちの共演、試作メニューは「特大しいたけと鹿肉のステーキ そば米リゾット添え」

三好市の新たな食の魅力創出を目指す「三好市ガストロノミープロジェクト」。市内飲食店を中心に構成される「まちなか」グループに続き、大歩危・祖谷エリアの宿で構成される「大歩危・祖谷いってみる会」グループ第1回目の試食・検討会が11月10日に開催されました。会場となったのは、「祖谷渓温泉 ホテル秘境の湯」(三好市西祖谷山村)。食のメンター、京都の老舗料亭「菊乃井」常務取締役の堀知佐子さん指導のもと、三好市伝統の食材“ジビエ”を使ったメニューを試作しました。

 

「千年の饗膳」以来、2度目のタッグ、抜群のチームワーク

 

当日は、会場となった「祖谷渓温泉 ホテル秘境の湯」をはじめ、「和の宿 ホテル祖谷温泉」(三好市池田町)、「峡谷の湯宿 大歩危峡まんなか」(三好市山城町)、「湯元新祖谷温泉 ホテルかずら橋」(三好市西祖谷山村)、「大歩危温泉 サンリバー大歩危」(三好市山城町)、「渓谷の隠れ宿 祖谷美人」(三好市西祖谷山村)、計6つの旅館ホテルからシェフが集結。アシスタントやプロジェクト関係者合わせて、約20名が参加しました。堀さんと大歩危祖谷温泉郷のシェフたちとのタッグは、今回で2度目。前回は、大歩危・祖谷の食材を活用したメニュー開発事業でチームを組み、新たなコース料理「千年の饗膳」を共同開発しました。「各ホテルのシェフたちは仕事仲間であると同時に、今や友達のような関係」と語る堀さん。その言葉通り、真剣さの中に楽しさが入り混じる、非常に良いムードで試食・検討会は始まりました。

 

徳島県がブランド化を推進する“阿波地美栄”

 

メイン食材のひとつは、「まちなか」グループの試食・検討会でも用意された原木しいたけ。市内の生産者さんが丁寧に栽培した、肉厚でうま味たっぷりの特大しいたけです。もうひとつのメイン食材は、三好市伝統の食材であるジビエ。今回は鹿肉のロースとモモを使用します。ジビエとは、鹿や猪など、狩猟で捕獲した野生鳥獣の肉のことで、語源はフランス語の「gibier」。ヨーロッパでは貴族の伝統的な料理として、古くから親しまれています。徳島県では、「阿波地美栄(あわじびえ)」と称し、ブランド化や地域活性化に繋げる取り組みが推進されています。また、三好市には、東祖谷地区に国産ジビエ認証を受けている食肉処理加工施設「祖谷の地美栄」があり、安心安全で高品質なジビエを全国に供給しています。急傾斜地が多く、険しい山間部を駆け回る三好市の鹿は、締まった肉質と綺麗な赤身が特徴的です。にし阿波地域は「にし阿波の傾斜地農耕システム」が2018年に中四国で初めて世界農業遺産に認定されました。その「世界農業遺産にし阿波ブランド認証品 」に認証された「つるぎの五穀 そば米」も食材として使用されました。その他まちなかグループでも使用された地産の「もちとうもろこし」など、第1回目から“にし阿波”の魅力ある食材が集まりました。

 

祖谷の地美栄(ニホンジカロース、モモウチ、モモソト)

 

世界農業遺産「にし阿波ブランド認証品 つるぎの五穀 そば米」

 

地産のもちとうもろこし

 

ともに考え、ともに創作する

 

そんな厳選食材を使い、試作したメニューは「特大しいたけと鹿肉のステーキ そば米リゾット添え」。料理の提案は堀さんからですが、複数種類のソースや味付けを試し、みんなで意見を出し合い、ともに創り上げることもテーマとなっています。

鹿肉はじっくり丁寧に低温調理することで、ローストビーフ風の綺麗なロゼ色の見た目に仕上げ、しっとり柔らかな肉質に。バルサミコソースやトマトソース、シンプルなニンニク醤油と、複数の味わいが楽しめるラインナップが試作されました。今回は、リゾットも複数。そば米を使ったミルクリゾットと、もちとうもろこしのリゾットの2種類が鹿肉ステーキに添えられました。また、その他に「鹿モモ肉の大和煮」が皿に並びましたが、こちらは前回同様、アドリブで試作された一品です。鹿のモモ肉にも部位があり、この大和煮で使用されたのはソトと呼ばれる、モモの外側にあたる部分。他の食肉と同じく、ジビエにも部位ごとで人気差があるという背景のなか、「その部位に合う調理法を実践すれば、どんなお肉でも美味しく味わえて、売れる食材になる」と、堀さんは語り、今後の販路開拓なども見据えたアドリブ料理だったようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

特大しいたけと鹿肉のステーキ そば米リゾット添え

 

鹿モモ肉の大和煮

 

カジュアルから高級志向まで、顧客層に応じた新メニューを

 

試食した参加者からは、「クセが一切なく、多彩な味付けで、ジビエが苦手な人でも楽しめる料理だった」、「調理法ひとつで大きく味が変わるさまが面白かった」といった声のほか、「オペレーションへの負担が重い料理があるので、そこは考えなくてはならない」という現場目線の声も挙がり、次回以降に向けて検討する箇所も話し合われました。「大歩危・祖谷のホテルに泊まるお客様は、客単価はもちろん、意識も少し高めな印象。今後は精度をもっと高めていきましょう」、という堀さんの挨拶で締めくくられた「大歩危・祖谷いってみる会」グループ第1回目の試食・検討会。カジュアルから高級志向まで、2つのワーキンググループで進められる新メニューやレシピの開発は、12月上旬に第2回目の試食・検討会が開催されます。

 

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