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2024.05.09
四国を流れる吉野川は、徳島県西部の険しい山々を通り抜け、大歩危峡と呼ばれる雄大な渓谷をつくり出している。
国の天然記念物に指定されている名勝で、美しい景色だけでなく伝説あり、アクティビティありと、訪れる人々へ様々な楽しみを提供する大歩危峡を紹介する。
【前回の記事はこちら】
>>徳島県三好市 大歩危をゆく パート1|吉野川の壮大な渓谷
大歩危峡へは鉄道で訪れるのも人気だ。
JR土讃線は渓谷に沿って南は高知市、北は香川県高松市、岡山県とを結ぶ特急が毎時間運行している。
こぢんまりとした大歩危駅はノスタルジックな雰囲気で、列車を降りると本当に遠くまでやって来た気分になるだろう。
駅舎内には待合室やコインロッカーの他、無料の観光案内パンフレットや地図も揃っている。
“妖怪の里”にちなみ、児啼爺(こなきじじい)の駅長像もあるので、記念写真をお忘れなく。
駅舎から線路を渡った所に、吉野川や大歩危橋を眺める展望所と歩道がある。
このビューポイントには多くの桜の木が植えられており、3月の終わり頃から4月の初めにかけて開花すると大歩危駅が1番美しい季節となる。
桜の時期にはスポットライトも設置され、駅周辺で夜桜を楽しむことも出来る。
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大歩危駅を出て目の前、坂を少し上がった所にあるスーパーと軽食のお店、その名も「歩危(ぼけ)マート」。
小型店ながらも、この付近では品ぞろえの多い店として地元の人々に親しまれているお店だ。
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看板商品の「ぼけあげ」というここでしか手に入らない大きなおあげ、お弁当やお惣菜の他、祖谷の岩豆腐やこんにゃくなど、地元ならではの食もたくさん並んでいる。
スーパーの向かいにある「お食事処」で祖谷そばやぼけあげ、温かい飲み物などが提供されており、列車を待つ間にちょっと寄るのも良い。
もう少しゆっくりとしたいなら、駅から橋を渡ったところにあるhanan coffeeがおすすめ。
本格的なカフェでメニューも豊富だ。
川を見下ろすおしゃれな野外のテラススペースと、ほっこりとするレトロな内装の屋内のスペース。
屋内にはボードゲームコレクションやレトロなテレビゲームもあり、寒い時期には薪ストーブのそばでくつろぐこともできる。
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伝統的な郷土料理と少し違ったものが食べたいときは、迷わず「道の駅 大歩危」がおすすめ。
大歩危駅から約1km、歩いても15分ほどしかかからない場所にある、観光総合施設だ。
様々なお土産がそろう他、レストラン「カフェ&ジビエ」では、ここでしか食べる事の出来ない鹿やイノシシのジビエ肉を使用した、珍しいハンバーガーが提供されている。
レストランからの景色ももちろん絶景。
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大歩危小歩危を含む三好市山城エリアは妖怪の里でもあり、児啼爺(こなきじじい)もこの地域でうまれた。
崖や急な流れの川など険しい場所だらけのこの地域では、様々な妖怪話をすることで子供達が危険な場所へ行くのを防いだりしてきたのだろう。
道の駅 大歩危の中には「妖怪屋敷と石の博物館」があり、特に妖怪ファンや子供達に人気だそうだ。
妖怪博物館の中は、数多くの地元の妖怪伝説の説明と共に妖怪の像も多く展示されていて飽きることがない。
お化け屋敷風の場所があったり、だまし絵のかっぱと記念撮影が出来たり、大歩危付近の地形などを学ぶこともできる。
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博物館の2階は石の博物館になっており、珍しい石に富む大歩危峡にふさわしく世界中からの珍しい石が展示されている。
妖怪と石、大人でもとても楽しむことが出来た。
特に妖怪好きには、展示の説明もとても面白いので時間を長めにとっていくことをおすすめする。
大歩危峡は自然の美、グルメ、妖怪、誰もが楽しめる魅力の詰まったエリアだ。
桜の時期も近いので、ぜひゆっくりと訪れて欲しい。
(取材・文: ショーン ラムジー、写真:大歩危祖谷ナビ & ショーン ラムジー)