GASTRONOMY
2022.03.20
三好市の新たな食の魅力創出を目指す「三好市ガストロノミープロジェクト」。前回まで、「まちなか」と「大歩危祖谷いってみる会」の2つのワーキンググループに分かれ、全6回にわたり試食・検討会が実施されてきました。今回、3月に東京都内で開催される三好市フェアでのお披露目に先立ち、大歩危祖谷各ホテルの宿泊プラン企画担当者向けに、ここまでのプロジェクトの進捗報告や今年度開発したメニューについての説明および試食の場が設けられました。
「食」が目的となる地域を目指して
会場となったのは、「和の宿 ホテル祖谷温泉」(三好市池田町)。会の冒頭、「大歩危・祖谷いってみる会」会長、ホテル祖谷温泉代表取締役の植田佳宏さんは挨拶の中で、「この三好市ガストロノミープロジェクトは、今年やって終わりという一過性の事業ではなく、来年、再来年と毎年毎年バージョンアップしながら進めたい取り組みです。その中で、普段出している料理や提供しているプランに、令和元年度の『千年の饗膳』で開発したメニュー、そして今年度開発したメニューを加えて欲しいと思います。地域一丸となって食について取り組んでいることや、美味しいものが食べられる地域というイメージを作っていきたいと思いますので、各ホテルの皆さまご協力をお願いします。」と、本会の趣旨を語りました。次に、ホテル祖谷温泉料理長の山下義孝さんから、試食説明会のメニューが紹介されました。今回のメニューは、「大歩危祖谷いってみる会」グループで試作を続けてきた「椎茸と鹿肉のステーキ そば米ミルクリゾット添え」や「でこまわし」、「柑橘(すだち)と和三盆のカステラ」の他、「祖谷豆腐の味噌漬け」、「祖谷豆腐とこんにゃくの唐揚げ」を加えた計5品。「祖谷豆腐の味噌漬け」は、使用する味噌や熟成度を変えた複数種類の味噌漬けが用意されました。また、「祖谷豆腐とこんにゃくの唐揚げ」に関しては、令和元年度に実施された新メニュー開発事業、「千年のかくれんぼ(大歩危祖谷)」美食ブランド構築事業の中で生まれた料理のひとつです。
今後のプラン造成に向けて
試食後の意見交換の場では、各ホテル旅館の担当者から様々な意見が述べられました。「祖谷豆腐の味噌漬け」は、味付けや熟成度の違いで食べ比べが出来る、お酒のおつまみとして最適など、好評の声が多数上がりました。白味噌を使ったチーズ風の味噌漬けは、日本酒だけではなくワインにも合うという意見があり、地元池田町で昨年設立された「Natan葡萄酒醸造所」とのコラボレーションも窺えます。華やかな見た目やインパクトが相まって、今年度の看板メニューとして改良を重ねてきた「しいたけと鹿肉のステーキ そば米ミルクリゾット添え」に関しては、美味しさやアイデアもさることながら、徳島県が生しいたけの生産量が日本一であり、そこに特産のジビエが合わさる料理の背景を評価する声も上がりました。一方で、「柑橘と和三盆のカステラ」に対し、もう少し酸味や柑橘感が感じるようにした方がいい、「でこまわし」で使う食材のサイズ感を見直すべきなど、各メニューの改善点も全員で共有。その他、「千年の饗膳」メニューとの兼ね合い、食材の被りなど、実際にプランを造成する現場目線での意見も複数あり、今後に向けて価値ある試食会となりました。
今年度の集大成「三好市フェア」は3月23日に
昨年8月のキックオフイベントから始まった「三好市ガストロノミープロジェクト」。京都の老舗料亭「菊乃井」常務取締役で料理家の堀知佐子さんをメンターに迎え、地域ならではの食材を使った新メニューの開発を進めてきました。さらに、アンバサダーにはタレントの大桃美代子さんを招聘。今年1月の2度目の来市の際には、三好市の観光特使にも就任し、プロジェクトの情報発信や三好市の食の魅力をPRし続けてもらっています。その今年度の活動の集大成、東京都内で開催される三好市フェアは3月23日に開催が予定されています。「Invitation Miyoshi-City Fair~徳島県三好市の食とお酒を楽しむ夕べ~」と題し、洋食屋ル・リール(東京都渋谷区)にて、新メニューのお披露目や三好市の地酒を紹介する場が設けられます。提供する料理の最終調整やメニュー名の確定など、直前まで細かい試行錯誤は続きますが、フェア成功に向けて全力を尽くすのみとなりました。3カ年にわたるプロジェクトなので、今後もガストロノミープロジェクトは続いていきますが、このイベントで今年度は一区切りを迎えます。三好市フェアの模様は、こちらのホームページの他、各SNS(Facebook、Instagram、Twitter)でもお届けします。併せてお楽しみください。