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2024.05.09
四国を流れる吉野川は徳島県西部の険しい山々を通り抜け、大歩危峡と呼ばれる雄大な渓谷を作り出している。
国の天然記念物に指定されている名勝で、美しい景色だけでなく伝説あり、アクティビティありと、訪れる人々へ様々な楽しみを提供する大歩危峡を紹介する。
徳島県三好市の祖谷地域は秘境として有名な観光地だが、大歩危峡のような驚くべき壮大な景観を持つ渓谷もある。
四国中央部、県の最西端に位置する大歩危峡。
渓谷のほぼ垂直な崖は何世紀にも渡り危険な場所として、また美しく魅力ある場所として人々に知られてきた。
現在、この渓谷は大歩危峡のすぐ北に隣接する小歩危峡とともに「大歩危小歩危」として、国の天然記念物に指定されている。
「大歩危」という一風変わった地名も、元々は断崖を意味する古語「ホケ」からだが、今では「大歩危」となり「大歩危小歩危」として、大股で歩いても小股で歩いても危険だからとも案内されている。
長さ4kmに及ぶ大歩危渓谷は約300万年前に地層が隆起しはじめ、そこを吉野川が青灰色の岩々を切り抜くように流れて形成された。
元は海であった、隆起した地層を間近で見ることができる貴重な機会だ。
この地層を見るには、遊覧船で川から眺めるのが1番。
約30分の観光遊覧船は渓谷が最も切り込み、景観の美しい「大歩危峡まんなか」から毎日運航している。
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どうしても時間のない人もぜひ「大歩危峡まんなか」から見下ろして欲しい。
綺麗なエメラルドグリーンの川の色と、対照的な力強い岩の形に感動すること間違いなしだ。
端午の節句の前後には、渓谷には多くの鯉のぼりがはためき、美しい渓谷にさらに彩りを添える。
「大歩危峡まんなか」からは、3月下旬から5月下旬にかけ、渓谷に渡された数多くの鯉のぼりを眺めることが出来る。
春の芽吹きの山々と澄んだ吉野川との色のコントラストも美しく、その眺めは圧巻の一言に尽きる。
この時季を選んで、大歩危小歩危を訪れる人々も多い。
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国道32号線が大歩危の渓谷に沿って走っているため、車から、または各サービスエリアなどで停車して、もしくは遊覧船に乗ってこの景観を満喫することが出来る。
国道32線沿いには歩道もあるので、渓谷を眺めながらの散歩も実に心地良い。
「大歩危峡まんなか」から、レストランやお店のある「RiverStation West West」までの2.5Kmほどの遊歩道は特に景色が良い。
また、この渓谷のすぐそばを走るのはJR土讃線で、もちろん車窓からの眺めも素晴らしい。
急行も停車する大歩危駅は、祖谷へアクセスするため多くの人が利用する駅でもある。
そんな大歩危峡の魅力は、その景色だけにとどまらない。
パート2では大歩危駅周辺や渓谷の見どころ、アクティビティ、食事などについて紹介する。
>>徳島県三好市 大歩危をゆく パート2|渓谷を満喫 食事、アクティビティ、そして妖怪!?
(取材・文: ショーン ラムジー、写真:大歩危祖谷ナビ & ショーン ラムジー)